不妊治療が保険適用になりました!

           


 カテゴリー: 不妊治療保険適用

2022年4月1日より不妊治療の保険適用が開始されました。
クリニックで不妊治療されている方々のご負担が大きく軽減されますね。

今回の不妊治療保険適用について、大阪で漢方不妊専門店として30年間様々な不妊改善に関わってきた店主・中村が解説していきます。

※まだ始まったばかりの制度のため、今後変更等がある場合もありますことをご了承くださいませ。

どういう治療が保険適用されるの?

不妊治療は以下の表のように、まず一般不妊治療と生殖補助医療というふうに大きく2つに分類されます。
不妊治療の中で、有効性・安全性が確認された以下の治療については、保険適用されることになりました。

一般不妊治療・タイミング法
・人工授精
生殖補助医療・採卵
・採精
・体外受精
・顕微授精
・受精卵
・胚培養
・胚凍結保存
・胚移植
(厚生労働省リーフレットより)

不妊治療は一般不妊治療と生殖補助医療とに分けられますが、その不妊治療の中にも、先進医療や混合治療という治療方針があり、それぞれ負担する治療費が変わります。

先進医療とは

今回検討された不妊治療の中には、現時点では効果があるかどうかの判断材料が少ないことから、保険適用にならなかった治療法(先進医療)があります。

しかし、不妊患者さんによっては、身体に合い、効果が期待される治療法でもあるため、いくつかの治療法は「先進医療」として、認められることが話し合われています。

先進医療は、保険診療以外の治療で、自己負担になります。
しかし、先進的な医療技術として認められるため、保険診察と組み合わせて実施することができます。(保険診療との併用可)

先進医療にかかる費用全額自己負担
一般の保険診療と共通する部分の費用
(診察・検査・投薬・入院などにかかる費用)
保険適用

生殖補助医療(体外受精・顕微授精など)は,患者さんの身体の状態を考え、どのような治療をすれば、妊娠できるかを考え、進める治療法です。

いろいろな治療法を組み合わせて治療する場合もあります。

今回の不妊治療の保険適用においても、上記のような個々の患者さんの身体の状態を考慮し、いかにすれば妊娠できる治療になるかを医療機関は常々話し合います。

医療機関からこういう治療が効果があると申請があった治療法・薬剤は、先進医療と認められるよう、話し合いがなされています。

検討されている先進医療

  • 子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)
  • タイムラプス
  • 子宮内膜スクラッチ
  • 子宮内膜受容能検査(ERA)
  • PICSI
  • 子宮内膜細菌叢検査

不妊治療に関する「先進医療」は追加されることがありますので、ご自分の希望する治療法が先進医療にあたるかどうかは、受診される医療機関にしっかりご確認ください。

混合治療とは

「混合診療」とは、保険で認められている治療法(保険診療)と、保険で認められていない治療法(保険外診療)を同時に行うことです

日本では、混合診療は原則として禁止されているため、保険外診療が1つでも入れば、保険診療の対象部分も含めて全額自己負担となります。

例えば、保険適用ではない医療技術を実施したり、医薬品などを使用した場合、たとえ同じ日に保険適用となる治療を受けたとしても、その日の治療費は全て患者さんが負担することになってしまうのです。

保険診療混合診療
全ての治療が保険適用あり一部自費治療あり
治療費は自己負担分のみ
(治療費の1~3割)
治療費は全て自己負担分
(治療費の10割)

対象年齢と保険適用の回数

一般不妊治療(タイミング治療・人工授精)

年齢・回数の制限はありません。
43歳以上の方は、タイミング法・人工授精は年齢制限がなく保険適用となりますが、採卵・胚移植は自費治療となってしまいます。

生殖補助医療(胚移植)

40歳未満:1子につき、胚移植6回まで
40歳以上43歳未満:1子につき、胚移植3回まで

年齢一般不妊治療(タイミング法・人工授精)採卵胚移植
39歳以下
6回まで(1子ごと)
40~42歳
3回まで(1子ごと)
43歳以上××
○:保険適用可  ×:保険適用外(自費診療)

負担額はどれくらい?

保険診療の場合、窓口での負担額は治療費の3割となります。

一般的な不妊治療にかかる平均費用

治療内容分類平均費用
新鮮胚移植体外受精
顕微授精
372,386円
413,131円
凍結胚移植体外受精
顕微授精
483,413円
550,392円
以前に凍結した胚を解凍して移植152,768円
男性不妊治療のみ324,988円
厚生労働省「不妊治療の実態に関する調査研究 最終報告書(2017)」各治療費の平均費用より

高額療養費制とは

不妊治療は高額になりがちです。
その対策として、医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給される「高額療養費制度」があります。

上限額は、年齢や所得に応じて定められており、いくつかの条件を満たすことにより、負担を更に軽減するしくみも設けられています。

高額療養費についてのお問い合わせ先は、どの医療保険制度に加入しているかで変わってきます。
具体的な上限額や手続きは、以下をご覧ください。
高額療養費制度について(厚生労働省)

今までの助成金は廃止

2022年3月31日までは、体外受精・顕微授精される方に対し、経済的な負担を減らすため、治療費の一部を助成する制度(1回につき30万円)がありました。

しかし、不妊治療が保険適用になったため、体外受精・顕微授精を対象とした「特定不妊治療費助成事業」は、2022年3月31日で終了となりました。

この特定不妊治療助成制度から不妊治療の保険適用の移行期間措置として、2022年3月末までに開始した月経周期で体外受精の採卵を行い、その採卵で得られた受精卵を2023年3月までに胚移植した場合には、1回に限り特定不妊治療助成制度の対象とすることができます。

助成金申請の延長(特定治療支援事業)

今までは治療を受ける夫婦の経済的負担を軽減するため、特定不妊治療(体外受精・顕微授精)に要する費用の一部を助成していましたが、

2022年4月からは、不妊治療保険適用の移行措置として、各都道府県での助成金が以下のように助成金申請の延長が認められる場合があります。

お住まいの地域により、支援事業の内容が変わる場合がありますので、以下の支援事業内容をよく読んで、対応なさってください。

保険適用のメリット・デメリット

メリット

不妊治療される方の経済的な負担が大きく軽減されます。
今まで不妊治療は高額であるため、なかなか不妊治療に踏み込めなかった方もトライできることで、治療の選択肢が増えます。

加えて、治療費が高額な場合、上記の高額医療費制度があるため、申請をすれば1ヶ月の自己負担は80,000円ほどに抑えることができます。

デメリット

すべての不妊治療にかかわる医療技術・医薬品などが保険適用の対象になる訳ではありません。
保険適用のデメリットとしては、混合治療の禁止が考えられます。

混合治療とは、保険で認められた治療法と保険で認められない治療法を同時に行うことです。

「技術や医薬品の効果や安全性がどうか?」などについて検討され、認められた治療法・医薬品についてのみ保険適用として認められます。

どのような医療技術や医薬品が保険適用になるかどうかは、日本生殖医学会の「生殖医療ガイドライン」によって検討されています。

混合治療は日本では認められないため、保険診療の中に保険で認められない治療が入ると、保険で認められた治療をされても、全額自己負担になってしまいます

そのため、治療の選択が幅が狭まってしまうことが心配です。

「自分の理想としていた治療ができないのではないか?」というご心配を当店でも、多数お聞きしています。

当店はこう考えます

不妊治療で忘れてはならない重要なことは、卵子の質と着床しやすい子宮内膜です。

卵子と子宮内膜の成長・成熟が不十分では、不妊治療に何回トライしても良い結果につながらず、身体も心も大きくエネルギーを消耗してしまうことが心配されます。

妊娠しやすい卵子と着床しやすい子宮内膜は、身体が作ります。
当店では何よりもまず、妊娠しやすい身体を整えることが最重要と考えます。

食事や生活習慣の見直しと睡眠を大切にすることで、身体が妊娠できる働きを取り戻すことができ、ご自分の身体で妊娠しやすい卵子や子宮内膜を作ることができるのです。

まず妊娠するために大事な基礎力をしっかり持つことが大事と考えます。
その基礎力を身体に持つことができれば、元気な赤ちゃんを迎える準備は整っていると言えます。

妊娠の基礎力

  • 卵胞・卵子をすくすくと大きく成長成熟できる力
  • 妊娠するために重要なホルモンをしっかり分泌できる

例えば、無月経で悩んでいた方が身体を整えることで、理想的な基礎体温になり、7ヶ月後に妊娠することができました。

仕事が忙しく、朝食や昼食を食べれなかった方も、時間の工夫を繰り返し、食事を摂ることできれいに育つ卵胞と卵子が成長でき、妊娠されました。

流産を3回繰り返していた方が、睡眠時間を整え、ぐっすり眠れる工夫をされたことで待望の2人目のお子様を授かることができました。

着床しやすい子宮内膜を作るには

野菜農家が野菜を作る時、まず大切に考えることは土作りです。
水分が浸み込まない硬い粘土状の土では、水分も栄養もなく作物は育ちませんね。

柔らかく水分をたっぷり吸い込み酸素が多く含まれる土でこそ、美味しい野菜がすくすく育つのです。

妊娠にも同じことが言えます。
硬い子宮内膜では、受精卵は着床できません。

受精卵が子宮内膜にたどり着いた時、子宮内膜が硬かったり、冷たすぎたり、血液が乏しかったり、栄養が十分でなかったら、着床できず流産しやすくなります。

温かく、柔らかく、血液が豊富にある子宮内膜なら、きっと受精卵は安心して着床し、のびのび成長してゆくことでしょう。

では、温かく柔らかく厚い子宮内膜はどうすればできるのでしょうか?
具体的には、以下のようなことに気をつけて、過ごしてみましょう。

  • より多くの血液を卵巣や子宮へ行き渡らせること(血液の材料であるタンパク質をしっかり摂りましょう)
  • ホルモンを十分に分泌できる身体になること(子宮内膜は黄体ホルモンの指令で厚くなる)
  • 夜更かししてエネルギーの無駄使いをせず、就寝を早めにとること(ホルモンは深夜分泌されることが多い)
  • 就寝前はストレスをかけず、ゆったりとした時間を過ごすこと(ホルモンは脳下垂体から分泌される)

お客様の声

参考文献

https://siawase-kodakara.com/contact/

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