卵巣機能低下は不妊治療が長引く原因
妊卵巣機能低下とは
卵巣機能低下は、女性の不妊の原因のとても多い排卵障害の症状の一つです。
卵巣内で、卵胞が成熟してくると、増加するはずの卵胞ホルモン(エストロゲン)が増えないため、排卵が起こらなかったり、排卵までに時間が長くかかるなどの症状が起こります。
また、子宮内膜が厚くなりにくいために、排卵が起こった後、卵子と精子が受精し、受精卵ができても、着床がうまくできない状態です。
これらの症状を卵巣機能低下といいます。
卵巣の働き
卵巣は左右の卵管の下に1個ずつあります。
親指くらいの小さな器官ですが、卵巣が持つ働きはとても沢山あり、妊娠するために非常に重要な器官です。
妊娠をサポートするほか、生理周期を整えたり、女性らしい身体を作ったりしています。
卵巣から分泌される女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。
女性の美しさと健康は、この卵巣から分泌される女性ホルモンの作用ですお陰です。
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女性の美しさと健康 2つの女性ホルモン
卵胞ホルモン(エストロゲン)の働き
- 卵胞を成熟させたり乳腺を発達させて、乳房を豊にしたりなど女性らしい身体を作る。
- 排卵前には子宮頚管粘液の分泌量を増やし、精子が子宮内に入りやすいようにサポートする
- 生理が終った後には分泌量が増え、排卵後には分泌量が減ります。
- コレステロールの増加を防いだり、肌を美しく保つ。
- 骨の減少を食い止める。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の働き
- 子宮内膜を厚くし、受精卵が着床しやすい状態にする。
- 妊娠が成立したときは、胎盤が完成するまで分泌を続け、子宮の状態を安定させます
- 妊娠しなかった場合は分泌は低下し、約2週間で止まります。不要となった子宮内膜ははがれ落ちてます。これが月経です。
「卵巣の血流低下」が卵巣機能低下の原因
卵巣の若さは、血液量で決まります。
卵巣には、細かい血管がたくさんあり、多くの血液が流れています。この卵巣には、赤ちゃんの元となる原始卵胞が生まれた時は約200万個くらいあります。
思春期になると、原始卵胞の中から、ホルモンの命令によって、毎月左右の卵巣のどちらか一つから、成熟した卵子を排卵します。
その時卵巣は、大きく成熟した卵胞・質の良い卵子を作るため、血液から栄養と酸素をもらって卵胞・卵子を育てているのです。
卵巣が元気よく働くためには、血液が非常に大事なのです。
卵巣機能低下は不妊治療が長引く原因
ホルモン治療を続けてもなかなか妊娠できない方の原因は、「卵巣機能低下」です。
卵巣機能低下のため、質の良い卵胞・卵子ができにくいのです。
質の悪い卵胞では、子宮内膜が厚くなりませんし、質の悪い卵子では、上手く受精できにくいし、また受精卵ができたとしても、妊娠中のトラブルが非常に心配になります。
卵巣機能低下を改善しないままの状態では、排卵が起こりにくかったり、無排卵になったり、黄体機能不全に(高温期が長く継続しない)になどの症状が起こりやすく、妊娠は難しいといえます。
卵巣機能低下を改善せずに体外受精や顕微鏡受精をしても、思うような卵胞が採卵できず、不妊治療が長引く原因になりかねません。
クロミッドやセキソビットなどの排卵誘発剤やHCGなどを6か月以上利用することで、卵巣機能がますます低下し、妊娠しにくい身体になってしまうことが心配されています。
本来の元気な卵巣機能を取り戻すことが妊娠するためのもっとも基本的な必要条件で、非常に大事なことです。
重要!卵巣機能低下の状態でのホルモン治療は、長引くことが心配
まず血液を卵巣へしっかり送り、卵巣を元気に働くようにすることが妊娠するための近道で非常に重要なことです。
20~40代女性の70%が不足しているフェリチン(貯蔵鉄)の不足を改善することで、卵巣の働きが高まり、多くの方が妊娠されています。